たくさんの葉っぱで傘をさすように

音楽が好きな小児科医です。

写真 VS 文字

美容師さんはすごいと思う。
予約を取って、その場で希望を聞いて、施術内容を考えて
それなのに時間通りに終わる。
医療に通じるものがあると、私は勝手に思っている。


床屋の孫である私はサインポールが身近な存在だった。
白赤白青が順番に、永遠に、くるくるしている。
色の由来、知ってますか?
白は包帯、赤は動脈、青は静脈。ハサミ、つまり刃物を人に向ける職業として、医療と床屋は近い存在だったそうな。


そんな美容師さんが言ってた一言が気に入ったので書き留める。
急に1泊2日の休みができたのに、行先を決められない私。どこを見ても、そそられるスポットが無く、せっかく旅館とか行けるのに、、
「僕は写真は見ません。文字だけで行きたいところを決めて、想像して、見に行く。写真で満足しちゃうから」
たしかに、インスタを代表として、最近はなんでも写真がついているのが当たり前。
情報が欲しいのに、悩んでるポーズの外国人とか、適当なマカロンのイメージ図とか、何でも画像がついて回っている。そうイメージ付けるように暗示かけられている。
それが広告料であり、いま流行りの商売である。


そう思うと、本の魅力にこの歳になって気がついた。
出かけるときは薄い本を持ち歩いていた手が、前より軽やかにページをめくるようになった。


百聞は一見に如かず。
その一見を手のひらの画面で終わらせてしまうのはもったいない。
文字を大切にしたい、そう思った文化の日でした。